「在庫は企業の通信簿である」
これは元ソニー副会長、ソニーエレクトロニクスCEОの中鉢良治氏
(現在、産業技術総合研究所 理事長)の言葉です。
在庫はオペレーションの結果であると同時に、プロセス改善活動の
貴重な証拠でもあります。
在庫が発生した事由を徹底的に分析し、改善活動に役立てること
の重要さを説き、在庫とキャッシュフローの関係を強調していました。
彼は社長時代、在庫に問題があると、二つの質問をしました。
①PSI(生産・販売・在庫)のバランスは大丈夫か?
②滞留在庫はないか?
私は、在庫に永年関わってきました。
在庫を確認すれば、企業の状況がある程度わかります。
ある意味、職業病かもしれません。
不思議なことに、在庫は様々な要因を教えてくれます。
人の体に例えると、有形・無形にかかわらず、在庫は
血液といえるでしょう。
なぜならば、事業を興すとき、在庫から始まります。
製造業であれば原材料の購入。卸業、小売業であれば
製品の購入。最初は、期待をこめて多目に調達するでしょう。
最初の販売状況を反映して、次は慎重になるのが常です。
2度、3度と繰り返すと売上貢献の大きい在庫にばかりに
気を取られ、販売上、重要でない在庫は見落とされる傾向にあります。
倒産する会社に多くみられる理由として、在庫過多のため資金繰りが
悪化が挙げられます。血液と同様、一部のどろどろの血液が滞留
すると、循環器系に支障を来します。
また、不正会計でも在庫を水増しの事例は多くみられ、大企業の
不祥事の際に必ず、挙げられます。
在庫を制すれば、監査法人のスタッフとして一人前になるとも言われます。
キャッシュ同様、在庫は決して嘘をつかないといえます。
「在庫管理」をしっかりやればあらゆる経営課題は解決できる!
製造、物流、食品・・・・・あらゆる業界の経営者、SCM責任者必読